美しい女性を華やかな三つの花に喩えたこの言葉は、古くは江戸時代の天明年間に編まれたことわざ辞典『譬喩盡(たとへづくし)』(松葉軒東井編)に記載があります。枝分かれしやすく横張りの樹形になる牡丹とは対称的に、枝分かれせずにまっすぐ伸びた芍薬の茎を、女性のスラリと立つ姿になぞらえたものです。
芍薬は草、牡丹は樹木 芍薬はボタン科の多年草。初夏、大形の紅・白色などのボタンに似た花を咲かせ、茎は複葉で、茎は長く約60cmほど。中国東北部、朝鮮半島などに生息す。牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれる。牡丹が「樹木」であるのに対して、芍薬は「草」。そのため、冬には地上部が枯れて休眠する。株分けで増やすことが一般的。30数種の野生種(日本ではヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤク)があるが、芍薬というと数十種類ある改良種(園芸品種)を指す。日本の芍薬は一重咲きが中心で、特に雄しべが大きく発達して盛り上がり花の中央部を飾るものが多く、全般にすっきりした花容である。この花型を「金蕊咲き」と呼び、海外では「ジャパニーズ・タイプ」と呼んでいる。
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